よわいはつよいプロジェクトは、アスリートのメンタルヘルスサポートのあり方を考えるための、アスリートと研究者による共同研究から生まれました。 私は、研究代表者の小塩靖崇です。 学校や地域での子ども・若者のメンタルヘルス教育を専門に研究しています。 その中で、強く感じていることは、誰もが悩み、不安な気持ち、時に心の不調を経験しているのにもかかわらず、そういった心の様子を人に語るのは「よわい」人間がすること、というイメージがあることです。 このイメージが、人の健康や幸福にとって大きな障壁になる場合があります。
私は、周囲の人やお世話になった方、家族、友達やその友達が健康で幸せだったらと願い、それを実現したいと思っています。 言い換えれば、「世の中が平和であってほしい」ということです。 このプロジェクトでは、「自分の心の様子を言葉にする」、「心の様子を語れる環境作りのために誰もができることがあること」を世の中に発信していきます。
よわいはつよいプロジェクトでは、アスリートの心の健康・生涯の健康・幸福を築くという目的だけでなく、アスリートに情報発信の担い手になって頂き、これから社会を創っていく若者をはじめ、広く一般社会への貢献を目指します。 オリンピック憲章には、「人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てること」が掲げられています。 スポーツの存在やアスリートの世の中の価値創造における役割は大きいと信じています。
よわいはつよいプロジェクトの立ち上げには、多くの方からご支援を頂きました。 私がアスリートのメンタルヘルスに関する取り組みを始めるきっかけは、霜村誠一さん(ラグビー元日本代表・元パナソニックワイルドナイツ; 現高校教諭)と学校でのメンタルヘルス教育研究や若者のメンタルヘルスを語り合った時間にありました。 そのご縁で、日本ラグビーフットボール選手会の皆さんと出会い、語り合い、よわいはつよいプロジェクトをスタートできました。 また、選手会の皆さんを通じて、日本全体のメンタルヘルスへの意識の変容という思いに共感するアスリートの皆さんや多くのスポーツ関係者の方とのご縁を頂いています。 多くの方からのご支援や思いに感謝しながら、これからさらに多くの方々との出会いを求めて、このプロジェクトを進めたいと思っています。
ご支援のほど何卒よろしくお願い致します。
国立精神・神経医療研究センター
精神保健研究所
地域・司法精神医療研究部
小塩靖崇