「こころとことば展」のことばたち。

こんにちは。
「よわつよ」の吉谷吾郎です。
先日開催された「こころとことば展」に
「よわいはつよいプロジェクト」の活動を
ご紹介するために登壇しました。

このイベントは、2023年2月に開かれた
「みんなと考えるメンタルヘルス」の第2弾で、
前回の好評を受けての開催。

(前回の様子はこちらの記事からぜひ!)

そのときは、アスリートである登壇者たちが
トークセッションをすることがメインの
アスリート色のみが濃い企画でしたが、
今回は「こころとことば」というテーマに広げ、
さらに「展」というコンセプトにアップデート。

さまざまな業界の人から
「あなたのこころのなかにあることば」を集めて
エントランスで展示したり、
そのことばが印刷されたポストカードを配布したり
来場者の方からも「ことば」を集めたり‥‥
いろいろな「たのしみ体験」をしてもらえるように
主催者であるトヨタ財団のみなさんが
時間をかけて盛り上げてくれました。

さて、そんなイベント当日ですが、
やっぱりおもしろかったのは
田中ウルヴェ京さん、サヘルローズさん、
廣瀬俊朗さん、萩原智子さん、
横田真人さん、小塩靖崇さんの6名による
トークセッションの時間。

ウルヴェさんを司会進行として、
それぞれの方の自己紹介にはじまり、
ひとりずつ「わたしのこころにあることば」について
説明をしてもらいながらご自身の体験を
語ってもらう時間になりました。

せっかくですので、
MCであるウルヴェさんと
「よわつよ」メンバーである小塩さんをのぞく
写真中央にいる4名のゲストたちの
印象にのこっている「ことば」を
ここでご紹介します。


横田真人さんの「ことば」

「800メートルという陸上の中でも珍しい種目をやっていたからなのか、 日々、 『なぜ自分はこの競技をやっているんだろう?」』と考える習慣がありました」

「今はコーチとして、 選手たちに『いつやめてもいいんだよ』 『仕事なんてつくればいいんだから、 つくってあげるから』って言っています」

「僕は、 他のみなさんのように誹謗中傷されたことがないんです。 それはきっと期待されていないから(笑)。 だから、 誹謗中傷されている人が、 ある意味でうらやましかった。 ある時、この結果が出たら注目されるだろうと思ったことがあったけど、 その時も取材は一切こなかった」

「よく寝ることが大事。 よく寝るには、よく体を動かすことが大事。 体を動かすと、頭もスッキリするし夜によく眠れる。 自分の妻も便秘や肩こりに悩まされていたので『走ったら解決するよ』と体を動かし始めたんですが、 一発ですべて解決しました」

萩原智子さんの「ことば」

「23年間、競泳をやってきましたが、地獄を見た回数は他の人より多いほうだと思います。けれど、いろんな人からの『ありがとう』のことばで、地獄から這い上がって私は生きてこられました。とくに、引退したときに父親から『ありがとう』と言われて抱きしめられたとき、自分の存在を認めてもらえた気がした」

「私は、 どちらかと言うと『誹謗中傷されやすいタイプ』の人間(笑)。オリンピックで4位だったとき、 当時ハタチだったけれど、 悪意のあることばをたくさん投げつけられました。 それが悲しくて泣いていたとき、母親は無言で私が泣きやむまでずっと抱きしめてくれたんです。 そこで私は堰を切ったようにこれまでのつらかったことなどを吐き出したら、 母は微笑みながら『言ってくれた人のおかげで成長できたね』と。そこから、 感謝のきもちがわいてきて、 次に向かうことができました」

廣瀬俊朗さんの「ことば」

「今日は『ひらく』というキーワードを書いてきました。 これは自分の会社の社名でもあって、とても大切にしてきていることばです。 いろいろあるけれど、いつもオープンであることを心がけていて、毎 朝、『今日は、ひらいているかな?』と自問しています」

「自分もラグビー日本代表のキャプテンとして、プレッシャーが強くかかる中でいろいろなつらい経験、 つらいことばを浴びてきましたけど、 『すべてを受けとめすぎない』ことを心がけてきたように思います。 『そうなんやね』『なるほどな』という気持ちで相手の言うことを7割くらい受け入れて、なんとかやってきました。 残りの3割は相手と対話を通じてコミュニケーションを取って理解し合っていくような」

サヘル・ローズさんの「ことば」

「世の中にはいいことばもたくさんあふれているのに、ひとつの悪意あることばで、すべてがかき消されてしまいます。 けれども、そういった悪意のあることばを言う人にも、 なにか理由があるはずです。 ことばや物理的な暴力さえも赦せる愛で社会を変えられたらと活動しています」

「わたしが、ここで 『ありがとう』 ということばを選んだのは、『当たり前のこと』を見過ごしてはいけないという想いからきています。 世界には、 勉強やスポーツすらできない人が非常にたくさんいます。 この国のあたりまえは、世界のあたりまえじゃない。 人間の数だけ『ふつう』があるように。 日本人はもっと、 今あるものに目を向けて自己肯定力を高めてほしい」


‥‥なかなかすべてを伝えられませんが、
おひとりおひとりの、これまでの人生の歩みが
根底に流れているからこその
体重の乗ったことばを受け取りました。

さて、最後に展示会場の「ことば」を
一部ですがご紹介します。

▼アーティストのTxBONE(SIS)とラグビー選手の山中亮平選手。

▼筆者のおとなりには、私の尊敬する佐伯夕利子さん!(ビジャレアルCF)

▼ラストを飾るのは当日来られなかった「よわつよ」メンバーでありラグビー選手・川村慎さん。

当日までの準備もいろいろと大変でしたが、
来場された方、オンライン視聴されたみなさまに
よろこんでもらえたのなら幸いです。

それでは、また!