「心のもようは、みんなちがって面白いね!」
2021年11月5日(金)、初めての学校訪問企画「アスリートと考える心の健康〜伝えてみよう・耳を傾けよう〜」を開催しました。
子どもと一緒に身体を動かし、絵を描くことを通じて、「心と身体の繋がり」「心の様子を表現すること」「友達の心の様子を知ろうとすること」を学びました。 心の様子を、絵の具を使って、さまざまな色や形で、30メートルのロール紙に描きました。 子どもとアスリートからは「一人一人全然違う。 面白いね!」と声が上がりました。
イベント当日の様子をレポートします。
会場は、足立区立辰沼小学校。 当日は、川村慎選手・山極大貴選手(NECグリーンロケッツ東葛)、村上愛梨選手(横河武蔵野アルテミ・スターズ)、和田拓さん(横浜キヤノンイーグルス育成・業務担当)が学校を訪問しました。 「心の健康について考えること、表現することを楽しい思い出にしたい」という思いから、一緒に進めてくれたのは、同小の図画工作の木村真光先生です。
打ち合わせを終えて体育館に向かいます。
職員室の前に、よわいはつよいプロジェクトのポスターを発見!!
体育館には、88人の5年生が待っていてくれました。
一緒に身体を動かすことからスタートです。
先生が山極選手のタックルを体験。 先生、、、大丈夫かなぁ。。
川村選手がNZで学んできたワークです。
ラグビー選手の大きな体にたくさんの紙が貼ってあります。 紙には、子どもたち一人一人の「嫌なこと!ストレスに感じること!」が書いてあります。
こんなにもたくさん、嫌なこと・ストレスに感じることを抱え込んでしまったら、、動きにくいよね。 不自由だよね。 ラグビーなんてできないよ。
子どもたちに紙をとってもらってスッキリ。 身体が軽くなりました。
川村選手「これってどういうことだろう? 嫌なことやストレスに感じることを、みんなが取ってくれたんだ。」
「心の様子を人に話したり、困っている友達がいたら話を聞いてあげることって大事だよね。」
次のセッションは、「心のもようー自分の感情や気持ちを色や形で描いてみよう」です。
木村先生は、子どもに話すのがとっても上手。
十分な間をとって、子どもたちの反応を見ながら進めていきます。
ちなみに、木村真光先生、これまで数々の賞を受賞したり個展を開催している、本物のアーティストでもあります!
さぁ開始です!
みんな思い思いに、自分の心の様子を描いていきます。
なかなか描き始めることができない子どもたちには、選手が一緒に筆を取ります。
描き始めると、子どもたちは、心の様子をダイナミックに楽しそうに描きます。
身近な人の後押しが力になることにも気がつきました。
そうして出来上がったのは、30メートルのロール紙に描かれた、子どもたちそれぞれの心の模様です。 さまざまな色や形は自身の感情や気持ちの表現です。 一つとして同じ形や色はありません。
言葉だけでは、心の様子をうまく表現できない子どもも、描いた絵に込めた心の様子は具体的に教えてくれました。
今回のイベントでは、「心と身体のつながり」「心の様子を表現すること」「友達の心の様子を知ろうとすること」を子どもたちと体感することで、一緒に学ぶ機会になりました。
「自分の心の様子を伝えたり、友達の心の様子を知ろうとすることに前向きになれるきっかけをつくろう。」そんな願いから、このイベントを企画しました。
誰もが悩みや不安、時に心の不調を経験するにもかかわらず、そういった心の様子を人に語るのは「よわい」人間がすることというイメージがあります。 このイメージが、人々の健康や幸せに大きな障壁になっています。 「よわいはつよいプロジェクト」では、「つよさ」の象徴ともいえるアスリートが、当事者として「心の様子を伝えること」「心の様子を語れる環境作りのために誰もができることがあること」を世の中に発信しています。
心の様子を表現すること、メンタルヘルスを考えた体験が、楽しい記憶になることが大切です。これからもこのようなコラボ企画に取り組んでいきたいです。
川村慎からのメッセージ
今回の取り組みでは皆さんに「心と身体が繋がっていること」と「自分の気持ちや心の様子を表現すること、人と共有することで起こること」を身をもって知って貰いたくて内容を考えてきました。
選手会の活動を通して学んだ「身体を動かして心と体の繋がりを体感するワーク」はアスリートのみならず、これからの世界を担う子ども達にとっても非常に大事な生きるためのコツ、幸せに過ごすためのポイントなのかなと感じています。
また木村先生の絵を描いて心を表現するセッションは話すことだけではなく、身体を動かして赴くままに表現することの重要性と自分の心を内省するアプローチが実はどんなものでも構わないという自由さを僕らに改めて教えてくれました。
よわいはつよいプロジェクトでは、アスリートが主体的にこうした取り組みを行うことで自分の心を表現したり、メンタルヘルスの取り組みを当たり前に行っていく社会に役立てればと考えています。 そのためにゆっくりではありますが、これから先の未来を創っていく子ども達に肌感覚で「心を体感する」今回のような企画をさらに広げていければと思います。 多くの子ども達にとって自分を表現することが苦痛ではなく人のぬくもりを持って迎えられる社会になるよう進めていきたいです。