悩みながら部活をがんばっているあなたへ

もし、あなたが悩んでいるのなら。

たとえば、夜に眠れない。 ごはんが食べられない。
練習に向かうカラダが動かない。 そんな悩みがあるのなら。
3つだけ、話をさせてください。

まず、1つめ。
実は、オリンピック選手やトップカテゴリーのアスリートでも、
同じような悩みを抱えている人がたくさんいるんだ。

いや、むしろ、そういったトップレベルの選手ほど、
プレッシャーや恐怖心との闘いがたくさんあるもの。

それは、「真剣だから」。
成長したい苛立ちとか、試合に出たい焦り、とか。
はじめは「やりたい」と思って好きではじめた競技も、
「やらねばならない」とだんだん自分を
追い込んでいくのかもしれない。

だから、もし、あなたが悩んでいるのなら。
あなたは、それくらい「真剣」で、
「本気の人」であることを、まずは認めてあげてください。
毎日がんばっている自分を誇ってください。

そして、がんばっている人には必ずいいことがある。
それが「今」じゃないとイヤかもしれないけれど、
世の中は、がんばっている人を
見ている人がちゃんといるから大丈夫。
(まずあなたをいちばん見ている人は「あなた自身」だよ)

つぎに、2つめ。
ぜひ、「外の世界」に相談してみよう。
日本一になるような大学体育会でも、
なかなか学生の部活に、
メンタルヘルスの専門家はいないことが多い。

「外の世界」というのは、
たとえば、昔の部活の友だちや先輩だったり、
兄弟や親であったり、
メンタルヘルスに関する病院だったり。
部活に関係する人たちには
なかなか言いにくいと思うから。
(評価が下がるんじゃないかとかも心配だよね)

いま、どんな気持ちで、
どんなことが身体に起きていて、
どんなことが不安に感じているのか。

話すことすらつらいかもしれないけれど、
ゆっくりでもいいから、
ことばにしてみるといいかもしれない。

とても勇気のいることだけれど、
その一歩を踏み出す相手にたどりつけただけで、
あなたは、すごい。

最後に、3つめ。
むずかしいかもしれないけれど。
今の自分を受け入れよう。
「こんなはずじゃない」「このままじゃマズイ」
理想の自分と今の自分のギャップに、
どんどん不安になっているかもしれない。
けれど、「今の自分」は「今の自分」。
弱っている自分も、自分。
たった一人の自分を、やさしく受け入れてあげてほしい。

誰かの目や声を気にしすぎないで、
あるがままの自分のこころの声に耳を傾けてみて。
「なにに恐怖を感じているんだろう?」
「なにを失いたくないんだろう?」
「それらの『敵』はほんとうに『敵』なのかな」
「不安や恐怖と仲間になって前に進めないかな」
そんな自分との会話を通じて、
今の自分を認めてあげることもできるかもしれないよ。

長くなってしまったけれど、
「あなただけじゃない。 真剣な人はみんな同じ」
「外の世界の人に相談してみよう」
「今のあるがままの自分を受け入れよう」
これら3つを伝えたいと思います。

この文章を書いている私は、
メンタルヘルスの専門家じゃありません。 ごめんなさい。
けれど、かつて大学の体育会に所属していた、
「よわいはつよいプロジェクト」のメンバーです。
どうか、スポーツをたのしめる日がきますように。


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