まちがいを認めること。
嘘のない自分であること。

まわりの目をおそれないこと。
孤独とうまく付き合っていくこと。

そんな自分のよわさに真正面から
向き合うには誰だって勇気がいる。

誰もがよわさをさらけ出せて、
よわさを受け容れられる社会へ。

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  • なぜ弱さは強さよりも深いのか

    元陸上競技選手/400mハードル日本記録保持者
    一般社団法人アスリートソサエティ 代表理事
    為末大

    松岡正剛さんのフラジャイルという本の中に「なぜ、弱さは強さよりも深いのか」という一文があります。 強さは獲得し維持するものですが、弱さは認め受け入れるものです。 強さは完全な円を目指していきますが、弱さはでこぼこのままです。 私たちは時に何者かになろうとしますが、自分が自分でいることが最も力が出せる状態であることに気がつきます。 弱さを受け入れた時、深いところにあった自分の本当の力がやってくるのだと思います。

  • 僕の弱みが逆に人の強みを活かす機会になった

    元ラグビー日本代表 主将
    日本ラグビーフットボール選手会 初代会長
    廣瀬俊朗

    長い間キャプテンをやってきて、「キャプテンこそ強く先頭に立たないといけないんだ」と思っていました。 でも、そうではなかった。 自分よりもっと強い人に前面に出てもらうことでその人は輝き、みんなに役割が生まれました。 僕の弱みが逆に人の強みを活かす機会になったのです。 弱さを認めた時、誰かに身を委ねられた時に、仲間が増えました。 完璧な人間なんていない。 弱いことは、悪いことじゃない。 認めて、助け合えば、仲間ができるきっかけにもなります。

  • 強い人間を演じることで弱さを必死に隠していた

    元女子バレーボール選手
    2004年オリンピック日本代表
    大山加奈

    日本一になれなかったら、オリンピックに行けなかったら、私にはなんの価値もない、そんな風に思い込んでしまっていました。 小学生のころから日本一を獲り続け、トップを走ってきた私は、結果を残し続けること、トップに居続けることでしか自分の価値を見出せなかったのです。 これが私の最大の弱さであったと思います。 弱音を吐くことも弱さをひとにみせることもなかなかできず、弱っちい自分を必死に隠して強いひとを必死に演じていました。

  • 自分の弱さを理解して周りに伝えていくこと

    「強さ」は目に見えるもので、「弱さ」は目に見えないものかと思います。 強い人になればなるほど弱みを隠そうとします。 強い人ほど失敗した時のバッシングや落胆が大きくなるから。 そうなると失敗しない選択をするようになります。 僕もほんの1年前までそうでした。 僕がとった行動は、自分が不安に感じることを周りにシェアすることでした。 内容は違えどみんな一緒なんだと思うと失敗してもそれも自分の一部だと思うようになりました。 大切なのは自分の「弱さ」を隠さず理解すること。 そして、それを周りに伝えていればお互いに助け合える仲間ができて、さらに力を発揮できると思います。

  • 自分の弱さを見せられる人が本当に強い人なんですよ

    元Jリーガー
    サンフレッチェ広島
    森崎浩司

    「自分の弱さを見せられる人が、本当に強い人なんですよ」。 精神科の主治医から言われたメッセージです。 心のうちをさらけ出すことには、正直、気恥ずかしさもあり、もっと言えば、情けないとさえ思っていました。 選手時代は、自分の弱さを見せることも、自分自身で認めることもできませんでした。 理想と現実の狭間で苦しみ、悩み、そして心と精神を病みました。 今は自分の弱さを含めて自分を認めることができます。 それが今の僕の強さとまでは言えないけれど、良さだと思っています。

  • 勇気を振り絞って自分の弱さを打ち明けた

    元Jリーガー
    サンフレッチェ広島
    森崎和幸

    僕は自分に対して理想が高すぎるゆえに、自分をせめ、心を病みました。 その時期は、自己否定を繰り返し、自暴自棄にもなりました。 そんな自分であっても、「自分のことを大事にすること」が大事なのだと思います。 僕自身、勇気を振り絞って自分の弱さを打ち明けたとき、周りの人たちが自分を理解してくれて共感してくれたことがうれしかったです。 ほんの少しでいいから、打ち明ける勇気を持つことが大事なのだと思います。

  • 弱さで繋がる絆もある

    ラグビー選手
    元日本代表
    村田毅

    人と繋がりを感じる時っていうのは弱さを共有できた時なんじゃないかなと思います。 「困ってるから助けて欲しい」「そのツラさ、わかるよ」自分の弱さも他人の弱さも、それが仲間との絆を深めるコミュニケーションのツールになる気がして。 弱さを伝えることって勇気のいることだけど、それがわかってるから自分の弱さを口にするようにしました。 強がった自分と繋がった人より、弱さで繋がった仲間との方が、深い関係がある気がします。 そんなことがわかるのにちょっと時間はかかりましたけど。

  • 個性とは長所と短所

    元競泳日本代表
    スポーツ健康科学博士
    スポーツを止めるな 理事 1252プロジェクトリーダー
    伊藤華英

    私はずっとメンタルが弱いと言われて来ていました。 メンタルは強くなければ勝てないから強くなければならないと思っていました。 しかし、何を持って強いのか、引退後大学院で学び、それは「自分自身を知ること」なのだとわかったのです。 強いと呼ばれる人は、今自分がどのような状態なのか分かるということです。 弱くてもいいとわたしは思います。 アスリートだって人間です。 個性とは長所と短所だと言われています。 まずは自分を知ることから始めてみてください。 自分と向き合うことでオリジナリティのあるチャプターを作り上げられると思います。

  • エースなのに怖かった

    元バレーボール日本代表
    一般社団法人監督が怒ってはいけない大会 代表
    益子直美

    弱かったからこそ、今、気づいたことがいっぱいある。 円形脱毛症になったとき、こんな恥ずかしいこと、誰にも知られたくない、とマジックで塗って隠していた。 エースなのに、トスが上がってくるのが怖かった。 ずっと自分はメンタル弱くて、スポーツには向いていないと自分自身を否定し続けて、引退することしか考えられなかった現役時代。 時間はかかったけれど、自分を認めることができた今、たくさんの気づきが生まれ、監督が怒ってはいけない大会につながっています。

  • まっさらな自分をさらけ出した

    ラグビー選手
    元日本代表
    冨田真紀子

    僕はこれまでの現役生活の大半で怪我をしています。 繰り返す怪我にうんざりするし、治りの悪いことにへこむし、途中で頑張れなくなる自分を嫌いにもなりました。 自分の弱さに直面する毎日です。 でもふと隣を見ると、同じように苦しんでいる仲間がいました。 自分の弱さや辛さを打ち明けること、相手の弱さを聞いてみること。 そうすることで不思議と頑張ろうと思えたし、仲間とも絆が深まりました。 一緒に乗り越えようと鼓舞し合って、仲間が壁を乗り越えた時は自分のことのように嬉しかったです。 よわさが絆を深めて、それ以上の喜びを生んでくれたとも言えます。 人の強さは案外こういう絆の中にもあるのかなと思います。

  • 自分らしさでいい

    元ラグビー選手
    (2022年引退)
    元ラグビー日本代表
    谷田部洸太郎

    人見知りで人前に立つと緊張してしまう性格でした。 ラグビーに出会い高校と大学でキャプテンをやらして頂き、チームをまとめる存在でいなければならないと考えたり、責任やプレッシャーに押し潰されそうになり嫌になる日もありました。 でも、自分はこういう性格、自分は人見知りで話すのが苦手だと仲間に打ち明けることができた時から自分らしさが出せるようになりました。 自分の弱さを自分自身で認めて、仲間に弱さを見せることで、みんなと繋がることができた。 みんなとコミュニケーションを取ったことで楽しくなりました。 自分らしさでいいんだって思います。

  • よわさが絆を深める

    ラグビー選手
    NTTドコモ レッドハリケーンズ大阪
    栗原大介

    僕はこれまでの現役生活の大半で怪我をしています。繰り返す怪我にうんざりするし、治りの悪いことにへこむし、途中で頑張れなくなる自分を嫌いにもなりました。自分の弱さに直面する毎日です。でもふと隣を見ると、同じように苦しんでいる仲間がいました。自分の弱さや辛さを打ち明けること、相手の弱さを聞いてみること。そうすることで不思議と頑張ろうと思えたし、仲間とも絆が深まりました。一緒に乗り越えようと鼓舞し合って、仲間が壁を乗り越えた時は自分のことのように嬉しかったです。よわさが絆を深めて、それ以上の喜びを生んでくれたとも言えます。人の強さは案外こういう絆の中にもあるのかなと思います。

  • ひとりの人間として

    ラグビー選手
    ラグビー日本代表
    日本ラグビー選手会4代目会長
    日野剛志

    周りを気にしてプレッシャーで押しつぶされないように1人で我慢してきた自分が周囲に自分の弱みをさらけだせた時、自分のことを理解してサポートしてくれる仲間ができました。 その時にものすごく世界が広くなった気がしてプレーを楽しめるようになりました。 役職や肩書き関係なくひとりの人間として向き合う事が大事なんだと気付かされた気がします。

  • その考えが間違いだった

    元ラグビー選手
    (2017年引退)
    和田拓

    キャプテンに就任した時に一つ決めたことは「弱音を吐かないこと」でした。 そして、重圧に押し潰されそうになりながら視野の狭い日々を過ごし、シーズンが終わるとなんだかホッとしていた記憶があります。 その考えが間違いだったことに気づいたのは、ずいぶん時間が経ってからでした。 心が暗くても時は流れていきますが、どんな人でも「今」を輝かせるように過ごせるといいと思います。 弱い自分を認める、身近な人に話してみる。 それが仲間を増やすきっかけにもなりましたし、そのことで生活に彩りが出た気がしました。 小さな勇気が受け入れられる世の中になっていけばいいなと思います。

  • 前よりも強くなれる

    元ラグビー選手
    (2020年引退)
    稲橋良太

    ラグビーから離れた時の孤独感は、今までの人生で一番苦しかったです。 自分はそんな事にならないと思っていたし、そんな自分を周りにいる人に見せたくなかった。 自分で何とかしたくても、どんどん苦しくなる一方。 その時の苦しさを救ってくれたのは、家族・仲間でした。 自分の苦しさを人に話すという事はハードルの高いことだけど、話せた時に目の前の景色は明るくなったし、前よりも強くなれたと思えました。

  • 大事なのはゴールすること

    カヌー選手
    リオ五輪銅メダリスト
    羽根田卓也

    他人とつい比べてしまう機会が多い今日の社会では、いかに自分にとって心地の良い心のペースを作るかが大切だと思って過ごしています。 そのペースは人それぞれであり、比べるものではありません。 亀は自分の弱さを知っていたからこそゆっくり最後まで止まらずゴールできたのでしょう。 もしウサギと比べて走っていたら途中で捻挫したりしていたのかも。 大事なのはゴールすることで、そしてそのゴールは他の人と同じである必要はありません。 自分の順位は自分で決められる。 そのことを競技を通して学びました。

  • 弱い自分を守ってやるんだ

    元陸上競技選手
    タレント
    武井壮

    弱い自分に負けそうなとき、自分は弱いからたくさん鍛えて学んで守ってやるんだって思ってる。

  • このプロジェクトへの想い

    プロラグビー選手
    “日本ラグビーフットボール選手会 3代目会長
    川村慎

    僕は現在ラグビー選手としてプレーしながら選手のサポート体制強化やより良い日本ラグビー界の未来をつくるために必要だと思う取り組みを行なっています。

    「よわいはつよいプロジェクト」はその中でもとりわけ大切なものだと感じています。

    世間一般から見たアスリートのイメージは「強く、勇猛果敢で、心身ともに健康」「どんな困難にも立ち向かうヒーロー」「明るく親しみやすい」といったものが多く、こうしたイメージそのものに疲弊してしまう選手は少なくありません。

    もちろんこうしたイメージそのものが悪いわけではありませんが、「こうでなければならない」というプレッシャーが存在することは、アスリートであろうとそれ以外の人であろうと心の負担になりやすいでしょう。

    こうした現状を変えていくためにもスポーツ界及びアスリートから発信する意義は大いにあると考えています。 「よわいはつよいプロジェクト」ではアスリートが率先して、またオープンに心の不調と向き合うことで精神疾患に関する偏見や圧力を緩和し、当たり前に治療することができる社会の一助になれればと思います。

    このプロジェクトでは、メンタルヘルスに関する専門家の皆さんにお力添えを頂きながらメンタルヘルスケアの研究や啓発活動を行っていきますが、その活動の目指すところは、他競技のアスリートも含めた日本中すべての方々と共にメンタルヘルスに対する意識の変革を起こすことです。 さらに言えば「メンタルフィットネス」と言われる、「心の状態を正しく認識し、柔軟に対応する⼒」の向上も目的としています。

    この「メンタルフィットネス」という概念は自分のよわいところを受け入れるところから始まります。 是非この機会に自分自身や周りの人の声に耳を傾けてみてください。 そして自分の気持ちや想いも伝えてみてください。 弱さも強さもすべてを受け入れて、それを認め、対応していくこと。 これこそが真の「つよさ」ではないでしょうか。 誰もが悩みや不安を伝えやすい、心のつながりを感じられる世の中にしていきませんか。