僕は現在ラグビー選手としてプレーしながら選手のサポート体制強化やより良い日本ラグビー界の未来をつくるために必要だと思う取り組みを行なっています。
「よわいはつよいプロジェクト」はその中でもとりわけ大切なものだと感じています。
世間一般から見たアスリートのイメージは「強く、勇猛果敢で、心身ともに健康」「どんな困難にも立ち向かうヒーロー」「明るく親しみやすい」といったものが多く、こうしたイメージそのものに疲弊してしまう選手は少なくありません。
もちろんこうしたイメージそのものが悪いわけではありませんが、「こうでなければならない」というプレッシャーが存在することは、アスリートであろうとそれ以外の人であろうと心の負担になりやすいでしょう。
こうした現状を変えていくためにもスポーツ界及びアスリートから発信する意義は大いにあると考えています。 「よわいはつよいプロジェクト」ではアスリートが率先して、またオープンに心の不調と向き合うことで精神疾患に関する偏見や圧力を緩和し、当たり前に治療することができる社会の一助になれればと思います。
このプロジェクトでは、メンタルヘルスに関する専門家の皆さんにお力添えを頂きながらメンタルヘルスケアの研究や啓発活動を行っていきますが、その活動の目指すところは、他競技のアスリートも含めた日本中すべての方々と共にメンタルヘルスに対する意識の変革を起こすことです。 さらに言えば「メンタルフィットネス」と言われる、「心の状態を正しく認識し、柔軟に対応する⼒」の向上も目的としています。
この「メンタルフィットネス」という概念は自分のよわいところを受け入れるところから始まります。 是非この機会に自分自身や周りの人の声に耳を傾けてみてください。 そして自分の気持ちや想いも伝えてみてください。 弱さも強さもすべてを受け入れて、それを認め、対応していくこと。 これこそが真の「つよさ」ではないでしょうか。 誰もが悩みや不安を伝えやすい、心のつながりを感じられる世の中にしていきませんか。